Jimmy

朝やけの詩のJimmyのレビュー・感想・評価

朝やけの詩(1973年製作の映画)
3.6
熊井啓監督の社会派作品の中で、初々しい関根恵子の圧倒的な存在感が見られる傑作!
冒頭から関根恵子は、大自然の中、素っ裸で泳ぐ度胸とその綺麗なヌード場面は、女優魂あふれる場面であった。(決してイヤラシイ感じではない。)

この作品、熊井啓監督の他作品のように○○事件を扱った社会派映画ではなく、大自然の中に住む人々、そしてその大自然を破壊してレジャーランドを作ろうとする開発業者との闘いを通じて、環境破壊を告発するような映画であった。

また、関根恵子の父親として仲代達矢も素晴らしい頑固親父だが娘への愛情あふれる男らしさを見せてくれる。
その他、関根恵子の恋人役に(やはり若い)北大路欣也、村人の味方という立ち位置に居ながら開発業者との癒着姿勢も見せる大物を佐分利信が演じており、凄い俳優陣。


この映画の中で、北大路欣也は「つんぼさじきに置かれているこの村を……」なるセリフを述べるが、昔から大好きな吉田拓郎の曲「♪ペニーレインでバーボンを」が現在は発禁になっているが、この曲の発禁理由がその歌詞に「つんぼさじき」というキーワードがあるから。
こうしたセリフを含む映画が堂々と有料チャンネルで放送されているにも拘らず、吉田拓郎の曲が発禁はやり過ぎであり、原由子の曲「♪アイラブユーはひとり言」のように放送禁止でCD販売は許すのが常識ではなかろうか?
映画の「つんぼさじき」というキーワードを耳にして、長々書いてしまったが、吉田拓郎の曲は再発可能な扱いにしていただきたいものである。


映画に話を戻すと、この作品、熊井啓×関根恵子×仲代達矢らによる名演が見られるなかなかの佳作であった。
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