Monisan

白と黒のMonisanのレビュー・感想・評価

白と黒(1963年製作の映画)
4.1
観た。

見応えがあった。
同業からの尊敬と評価が非常に高かったと言われる、橋本忍の緊張感あるオリジナル脚本。

物語はまさに二転三転。
最後まで展開が読めない。あと随所に知性というか、品のある台詞まわし。素晴らしい。

映像も白黒映画に映える衣装、美術のテクスチャ。アングルもどしっとしていて映画のトーンをより重厚なものに。

仲代達矢が格好良い。黒縁眼鏡がこんな似合う日本人他にいるか、というレベル。

脇田という輩は救いようが無いが、実は最期は誰も嘘をついていないし、正しく生きようとしているんだよな。浜野は良心に従って真相を話し、落合は自身の身に降りかかる火の粉を覚悟して判断をする。
構造が巧みだから結果として悲劇になってしまうけど生き様という意味では共感出来る。ラストは衝撃。
その前の「馬鹿で良いんだよ」という台詞が重みがある。

これは名作。
しかし、新藤兼人も橋本忍も100歳で亡くなっているんだな。頭を使うって大事なのかも。

堀川弘通、監督。
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