Monisan

チートのMonisanのレビュー・感想・評価

チート(1915年製作の映画)
3.7
観た。

早川雪洲って誰だったかな、と思い鑑賞してみた。著作権の切れた映画なのでYouTubeで観られる。

ビルマの象牙王と、若き投資家とその奔放な妻との話。とてもシンプルだけど、最後の裁判のシーンまで先が気になる構成だった。
いつの時代も、女に振り回される男達の光景には変わりは無いのかな。
最後は勧善懲悪的に白人カップルが讃えられるんだけど、まぁ妻も大概だよなという感想。

YouTubeの最後についていた解説にある、この映画が作られた時代背景が興味深かった。日露戦争で日本が勝った事による、日本人、アジア人に対する忌避的な感情や、日系人街でのいざこざ等があった時期だそう。
日本は映画に対して抗議を行い、雪洲の役は後にビルマ人の設定に変わった。そんな解決で良いのか?とも思うが…
それにサイレントだから字幕でどうにか出来ても、障子を使った光の演出とか、アラカウの従者達はもろに着物だしね。

早川雪洲は、魅力的だった。妖艶な雰囲気もあるし、歌舞伎の見得のように睨む表情とか。佇まいも格好良い。
この映画でアメリカでも人気がでたらしい。

そして背の低かった雪洲は、女性と画角内で同居する際に踏み台を使用していた、それがセッシュウという言葉として今もハリウッドでも使われている、と。
それで思い出した。そのエピソード自体は記憶にあったけど、早川雪洲の映画を意識して観るのは初めてかも。
日本の撮影現場でも、今もセッシュしてと言うもんな。セッシュウじゃなくて、セッシュという感じで。

勉強になった。映画って教養になるよね。

セシル・B・デミル、監督
Monisan

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