桔梗F

消えたシモン・ヴェルネールの桔梗Fのレビュー・感想・評価

3.1
パリ郊外でパーティーに集う若者たちが、森で死体を発見する。
2週間前、シモン・ヴェルネールという高校生が失踪、数日後、同じクラスの女生徒も失踪し…

最初ゲーム「悪魔城ドラキュラ」の主人公が失踪!?と思いましたが、男子高生でした。※ネタがマニアックですみません…

映画自体は4人の高校生目線から撮る群像劇。
宣伝では「エレファント」が引き合いに。
撮影技法は「桐島、部活やめるってよ」とほぼ同じです。
ただし、本作の製作は2010年のため、パクリではありません。

都合、4人の高校生が失踪、死体が1つとミステリー要素を秘めながら進行します。
登場人物が変わるにつれ、パズルのピースが埋め込まれ真相に近づく形式(゜ロ゜;

エレファントや桐島…を引き合いに出す人も多いですが、引き合いに出すなら、
ド鬱学園映画「明日、君がいない」 (オーストラリア)でしょう(;゜∀゜) 

終盤を出してから過去に戻る、話が進むにつれ登場人物たちの隠れた人間関係がわかる、などなど被りまくりでありますが(^^;

他にも似た設定の映画は「4.3.2.1」や「バンテージポイント」など多々あるので目新しさは売りになりません( ;∀;)

でも、色々な目線で同じ場面を観ると見方が変わるというおもしろい撮影技法はあるので、「桐島…」みたいな映画が好きならお勧めします。
ただし、目線が変わろうと同じシーンの繰り返しが苦痛な方には苦行でしかありません(;゜∀゜)

まして、淡々と流れるフランス映画なので(^^;
フランス映画に抵抗がない方向け。

次々と失踪する高校生たち、いったい何が!?犯人は!?
と興味を引く展開ではありますが、結論からいうとミステリー風なだけで、ミステリーを期待して観ると爆死します(´д`|||)

ミステリーとしては絶対使ってはならない禁じ手オチなので、青春映画として観るといいかも知れません(..)

ある意味、予想不能な衝撃オチですが…(笑)
広げた風呂敷が畳めなかったか、最初からオチを決めてたかは不明です…

ラストは監督が一番描きたかったことで、観る者を欺き、してやったりだと思いますが。。。

残念なことにラストネタも同じフランス映画の
「幸福」(アニエスヴァルダ監督)で似たような使われ方してるんですね( ;∀;)※ネタバレすみません(..)

でも、フランスの赤裸々な高校生たちの授業風景や恋愛事情などを垣間見れるという点は高ポイントです(^o^)
酒にエロにテクノパーティーなどアメリカの高校生とそんな変わらない気も。

音楽はソニック・ユースが担当なので○!
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