菩薩

メイトワン-1920の菩薩のレビュー・感想・評価

メイトワン-1920(1987年製作の映画)
4.3
100年経ってもなんも状況は変わらんよねぇ、辞めたきゃやめろ、お前の代わりは他に幾らでもいるの一点張り。儲ける事しか考えてない会社側と、ただただ生活を守りたい労働者側。「働く者達」の団結も一枚岩とは行かずに、先走る者も出れば裏切り者も出て、起こるべくして悲劇は起き、事態は最悪の衝突に発展していく。あくまで中立的立場を守る警察官、勝手な立退要求を「戻せ」の凄みだけで解決するとこめちゃくちゃカッコいいし、銃撃戦の二丁拳銃も凄いが、死体に弾撃ち込むババアを止また後にまさか自分がその死体と同じ運命辿るとは思わんかったろうに。シーツ越しにショットガンぶっ放す奥さん、あの構え方に『ミークス・カットオフ』のミシェル・ウィリアムズを思い出すし、貧しくとも流通から何から自分達で賄おうとする姿勢にチリのアジェンデの挫折を思い出す。お説教で皆の衆に裏切りが発生していることを悟らせる坊ちゃん賢すぎる。嫌な話のいい映画、新しい世界は未だ来ず。
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