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しゃべれども しゃべれどものmikumiku1188のレビュー・感想・評価

3.3
下町に古風な想いを抱き続けて生きる青年のお話です。

BS放送の録画にて鑑賞した作品。私にとって国分太一さんはあのテレビ料理番組が一番強い印象になっています。アイドル・グループの一員として以前から活躍していますが、彼らの歌は恥ずかしながら一曲たりとも記憶に残っていません。
そんな国分さんの主演した作品ですからそれほど興味を抱いていませんでした。しかし、BS放送の番組表によって放映されることを知ってこれを機会に見てみようと思った次第です。

現代社会の青年だが、職業に落語家を選択し、日常から着物を着て生活し古典落語に執着している古風な男。その青年の前に現れた人付き合いの苦手な娘、大阪から東京に転居し友人に言葉の違いからイジメを受けている小学生、元プロ野球選手で引退後に会話の不得手に悩んでいる男が集まり、落語を通しての会話教室を開くことになる。
落語家自身もベテランの域に差し掛かりながら二つ目からの脱却を成しえていない抱えていて、四人それぞれがその場を通じて成長していく様を描いた作品なんですが国分さんの一生懸命さを強く印象に残りました。特にアイドル出身の青年がよほど勉強したのでしょう。落語を無難に語っているのには感心しました。

しかし、ベテラン俳優の八千草薫、伊東四郎、松重豊さん達の存在が強すぎて若い三人の演技が浮いて見えてしまうのは仕方ない事なのでしょう。しかしあの子役の男の子は大した物でした。

この作品の原作小説は2007年本屋大賞を受賞したそうなのですが、あまり強いインパクトの少ないストーリーのこの作品から想像すると原作の小説が、読者を引き付ける魅力のある作品だったのか?という、読んではいないのですが推測してしまった次第です。
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