いとう

アラビアのロレンスのいとうのネタバレレビュー・内容・結末

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

壮大なロケーション、圧倒的な数のエキストラ、そしてあまりにも小さな主人公ロレンスの心情の機微。

アカバ襲撃時のラクダの一軍のダイナミックさ。今では動物虐待で撮れないような激しいカットが多い。

トルコの貨物列車を爆破、襲撃ののちロレンスが横転した列車の上を歩くカット。ロレンスの足元のヨリ、その後方には襲撃を成功させた部族の歓喜の様子。画でもってロレンスをオーソライズさせる極上のカット。

『VIVANT』がやりたかったことはこれだった(そして当然実現しなかった)のではないかと思った。

ロレンスの流血を望まず弱気な性格は、アラブ部族たちの血気盛んな気質と彼らの独立という野心によって都合よく覆い隠される。時にはそれを倫理的ではないと判断するロレンス。しかしそれも結局は自身の生活の安寧という超エゴイスティックな理由が根幹にあった。
いとう

いとう