前に見た面白い映画を全部見返そうと思い一本目に選んだ映画がこの映画でした。
この映画の素晴らしいところは全てのシーンに大きな意味が込められており、デビッドリーン監督のその意味を汲み取り映像として画面にそれらを取り入れる監督としての手腕が遺憾なく発揮されているところです。
ロレンスが最終的にアラブの歴史においてただの1つの駒だったのかという寂寞とした感じもそれは確かにそうであり、歴史というものはただ単にあらゆる個人の感情と欲望に対する総和に過ぎないという事実を教えてくれます。
ロレンスは英雄で並外れた人物であっただけではない。
彼は英雄であったと同時にただの人間であった。
そういった事実をしっかり描いているところがすごく好きです。
デビッドリーン監督特有の音楽と広い画を用いた魅力的なカットもたくさん見れてとても満足です。
2度目の鑑賞でしたが、1回目に見た時と劣らず感動しました。
やはり序盤のロレンスが火を吹き消し砂漠が映し出されるシーンが一番好きです。このシーンは僕が見てきた映画の全てのシーンの中でも最もお気に入りのシーンの1つでここだけを見るためにでもこの映画を鑑賞する価値があると思います。