RyuichNorthwind

アラビアのロレンスのRyuichNorthwindのレビュー・感想・評価

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)
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こんな映画があっていいものか

先ず, 行軍の場面は特に圧巻.
大勢のエキストラと, その行軍に見事にmatchした音楽.
最初の方の, 自分は自分であるという姿勢が, 僕は好き.
そして, それが彼を変人だと思わせ, 時に魅力を感じさせる.
アラブ人に認められてからは, 初めて他人に認められたことで, 自分を見失っていく.
自らを特別な存在だと思い込み(預言者的な), 違うと知った時は, 普通の人間になりたいと思う.
しかし, 彼は彼であり, 結局特別な存在ではあったのだ.
アラブ人から貰った真っ白の民族衣装.
これが後半へ向かうにつれて泥臭く, 血だらけになっていく様子が象徴的.
行軍の方向も, すべて左から右.
『左』と『右』が表す印象は御存知の通りだ.

自分自身と, イギリスと, アラブと,
三つの狭間に立ってしまった男.

結局, 彼が戦っていた相手は, 彼自身であった.
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