ベビーパウダー山崎

バルスーズのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

バルスーズ(1973年製作の映画)
3.0
無軌道な若者というより大衆の欲望に沿った分かりやすい破壊活動で、女優が躊躇いもなく裸になるのも含めて非常にエンターテイメントな作品。ミュウ=ミュウなんてボロクソに扱われているのに、ジャンヌ・モローには作り手が臆していて自殺するまでのくだりが弱い。シミだらけの幼いイザベル・ユペールとの無駄な絡みはおまけ程度。社会から拒絶された男二人が流され、ある意味、同性愛的な関係を描いた映画として本作と『真夜中のカーボーイ』と『アフリカの光』を見比べると、その国と「映画」のあり方、国によって異なる映画作家(表現者)の拘りが見えてくるかもしれない。