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仮面/ペルソナの13のネタバレレビュー・内容・結末

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

哲学を映像という媒体で表現するという手法は、美術アーティストや芸大生が発表するような動画を美術館などで観たことがあります。
しかし、この作品は”映画”という作品として昇華しておりこのような映画は初めて観ました。
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ここからは個人的な考察です。
冒頭の顔の重なる映像からこの映画自体がひとつの人格の内部の葛藤の表現であることが分かる。
恐らくエリザベートは社会的な女優としての人格で、アルマは”アニマ”でユングの心理学におけるANIMA, “女性の性的衝動からなる人格”のモチーフのように思います。

私も思春期を終えた頃に自分の中に人格が多数居ることに気がつきました。
人によって人格を変えている、見せている自分を変えていることに気付いて、これは当たり前な事ですが一度気にすると、疲れてしまい、気が滅入ってしまったことがありました。

落ち着いて考えると人間はそれで良いのです。
自己には色々な側面があり、シチュエーションによって見せ方を変える。
それが集まって自己、自分なんだなと俯に落ちました。(エヴァテレビ版の最終回ですね。)

人格というものはコアのようなものはなくて、ふにゃふにゃで、外的刺激があって、境界がはっきりと見えて色々な形になるものだと思います。
本作品の終盤で”無”を諭される辺り、なんとなく僕の考え方と似ているなと思いました。

ユングの心理学とベルイマンの意図についてもう一度調べてみようと思います。
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