監督の野口博志の演出がゆるいせいで、アキラの代表作なのに一番つまらない「マイトガイシリーズ」だが、4作目は比較的中だるみが少ないのでマシに見られる。相棒の情報屋は近藤宏でアキラの子分といえばこの人。このシリーズでは冷静沈着で感情を出すことの少ないアキラがかなりご機嫌でお茶目な顔を見せる。
しかし相変わらず演出のゆるさは作品の質を傷つけている。片目片耳の悪役を演じる高品格は元ボクサーの片鱗を見せる強力なパンチを見せるのは良いが、初登場シーンではなんの説明もなくアキラと殴り合っているので、後々理由が明かされるにせよ、しばらく殴り合いを首を傾げながら眺めることになる。
敵に誘拐されて車のトランクに閉じ込められた松尾嘉代がどうなったのか不明なまま、突然現れた子役の女の子に役どころがすり替わってしまい、無事に救出されたのかは不明なまま笑顔で大団円。話が銀座から名古屋へ移動する展開は面白かったが、結局名古屋城の周りで地元民たちが踊るなかでアキラの歌う「中京音頭」が流れるという。これじゃ「渡り鳥シリーズ」とおんなじだ。