結構な数のボンド映画を見ていて思ったんだけど、このシリーズは「時代の象徴」という面がかなり強いような気がする
そりゃまあ多かれ少なかれどの作品にも当てはまることではあるんだけど、「売れる映画」であることを宿命づけられ、60年弱かくあり続けたシリーズほど濃厚なものにはなかなかお目にかかれないと思う
でこの映画が何を象徴しているかというとまあ一つは一応テロリズムの変化、多分イデオロギーが先鋭化し技術革新の影響もあり思想や犯罪、あるいは物語がどんどん個人化しているみたいな感じ……ボンドが自省して自分語り始める時代かよ……
でもう一つはダークアメコミ映画の流行です
組織を追ってたらなんかヘラヘラ笑ってる奴が中盤捕まって深そうな話をして身内に禍根を残しつつ脱出、って感じの映画が無尽蔵に作られてたなあ、と懐かしめるタイムカプセルのような素敵な作品です
撮影の美しさは特筆に値すると思います 高層ビルのシーンとか美しすぎて声出ちゃいましたね
あとは傍若無人で大迷惑なボンドが帰ってきたのが嬉しかったです 今までのダニエルクレイグ作品は言い訳じみていてどうもね
彼が迷惑をかけるたびに歓声を上げたくなりました
クライマックスが古風ながら今までにない展開になっているのも凄い 流石の一言です
