このレビューはネタバレを含みます
待ってました。
ダニエルボンドシリーズではお馴染みとなった冒頭のチェイスシーン。
一作目をラン・チェイス、二作目をカー・チェイス、今作ではバイクによるチェイスとなっており、
早々に釘付けにしてしまうのは流石。
ガンバレル・シークエンスからアデルの「Skyfall」が流れ始まる。
アデルの力強い歌声がよく合っており盛り上げに一役買っていた。
上海のネオンが映えるオフィス街での風景やガラス張りの部屋での戦闘シーンは近未来感あり特にお気に入りであるが、
マカオや軍艦島を思わせる廃墟島、スコットランドの自然溢れる風景等今作でもフォトジェニックなシーンが多かった。
今作において特に秀逸な点は、
第一にハビエル・ヴァルデム演じる元MI6エージェントの悪役シウヴァであろう。
MI6にハッキングして爆破テロを起こしたのを皮切りに、わざと捕まり、メインコンピュータをサイバーウイルスに感染させ、監獄から脱出する等、ダークナイトでのジョーカーや羊たちの沈黙のレクター博士を彷彿とさせる存在感と魅力があった。
第二にQやミス・マネーペニーといった007シリーズに欠かせないキャラクター達の登場である。
序盤から存在感あった女性エージェントのイヴがまさかミス・マネーペニーその人とは思わなかったが、最後に自己紹介したことでマカオでの一幕など全てがつながった気がした。
またQ演じるベンウィショーがかっこよすぎる。
次作スペクターでもかなり活躍するので観直すのが楽しみである。
そして最後は何と言ってもジュディデンチ演じるMの存在に他ならない。
ボンドとの上司部下だけでなく母子関係にも似たその関係性は円熟味を増しており、
また審問会での答弁は知的で勇ましく、ジュディデンチMは唯一無二だなあと改めて思った。
それ故にラストシーンは辛かった。
一作目、二作目とは打って変わってベテランの雰囲気さえ出てるダニエルボンド、そして上記3つの理由により、好評価とさせていただいた。
007シリーズ50周年を自ら祝う出来となったと言える。
CIAエージェントのフィリックスは登場しなかったなぁ。
とはいえ特に前作の知識無くても観れるのでオススメである。是非。