マンション

007 スカイフォールのマンションのレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
4.0
このシリーズて本来、海外旅行がてら美女とセックスしたりしつつ、高級スーツでキメてんのにアホなガジェット色々使って、世界の平和を脅かす悪いおっさんをやっつける、てな話やったのに、
今回のストーリーはかなりパーソナルな部分を掘り下げてて、ノリが全くちがう。グダグダ説明一切なしで、スカイフォールていうタイトルワードだけで回収しちゃうのが知的。
ガジェットもアホ感一切なし。一周回っての、レイディオゥ!(どや顔)て。しかもレディオ返しされとるし。

また特筆すべきはロジャーディーキンス印の映像美。
マカオでの、金色の霧がかかったかのような異空間演出は、既にここであのブレードランナー2049的なあの感じ出てる。
さらに白眉なのはクライマックスの氷の下での水中格闘シーン。氷上は橙の光、水底は濃紺の闇、その境界が彼岸を象徴するかの妖しい緑色で、色彩といい構図といい、もはやこれは絵画では。と思われる。

そして敵キャラのキモさは圧巻。
金でも権力でもない、ただのマザコンが極まって一周回ったド変態おじさん、しかしそれはボンドの鏡像にすぎないていう、それだけで否が応にも物語に深みをもたらさずにいられない敵キャラ設定。この設定はせこい。
こいつが最後の最後で見せる最終的な動機、きもこわっ、けどお前、この対決トータルで見てほぼほぼ圧勝やったやろ。

“007、遅いじゃないの”
“深みにハマってまして”

終始、深みにハマってましたね。お疲れさんでした!