りょうすけ

グランド・ホテルのりょうすけのレビュー・感想・評価

グランド・ホテル(1932年製作の映画)
3.5
「グランド・ホテル」

第5回アカデミー賞作品賞受賞作品。当時のMGMのスターを起用して作られ、「グランドホテル形式」という映画のスタイルまでを確立した歴史的な作品。

偶々、そこに居合わせた人々の動きが同時進行で描かれるというスタイルで描かれることの面白さは勿論だが、あんなにごちゃごちゃした展開の結果起きた出来事もホテルとしては一つの歴史にしかすぎないという清々しい結論がすごく好きだった。教訓って訳じゃないけど、ハービー・デントみたいな医者のラストの言葉がグッときた。

また、本作で非常に印象的な女性を演じているグレタ・ガルボとジョーン・クロフォードが同じシーンで登場しないというところがすごく気になったけど、Wikiの情報によるとギャラの問題からお互いに牽制し合っていたらしい。こういうところも昔のハリウッド感満載だよなぁ…

もう100年近く前の映画で、場面場面の繋ぎは今の映画に比べると多少荒さを感じるが、内容的にも、一つの映画の形態のオリジナルとしても非常に面白く観る価値のある作品だった。
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