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妻は告白するのSaaaaaのレビュー・感想・評価

妻は告白する(1961年製作の映画)
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旦那を愛しているのならば一緒に死にたいと思ってしまうのか、自分を差し置いて旦那を生かしたいと思うのか、旦那を愛していても尚自分は生き残りたいと本能的に出てしまうのか。、、、まぁ直感的に自分のことを愛してくれていないと思う人と共に死にたいとは思わないわな、たとえ旦那であっても。

好きなものが確立して存在しているような人を見ていると、自分がその人の“好きなもの”の対象に含まれていなければ、その人がその”好きなもの”に対する熱量の度合いがわかってしまう、だから好きか嫌いかなんてものはもう一瞬で判別できる。口先で好意がある装いをしても嘘はすぐ分かる。

日頃の旦那の妻に対する振る舞いによって、妻はあの局面で旦那の縄を切ってしまい旦那が死んでしまった。妻による殺人に思えるが、慢性的に旦那が自分自身の首をしめ続けた結果でああなったのならば妻だけが罪を被るのはおかしい気がする。そしてラスト、彩子が薬を飲み自殺をした。物理的な死因は薬であろうが、直接彩子を死に追いやったのは愛されるものからの裏切り行為(幸田の言動や行動)である。これは一見幸田が彩子を殺したように思えるが、彩子は幸田から愛想を尽かされたり怖がられたりする要因をもっていた。たとえその薬瓶に幸田の指紋がついていようが、廊下で彩子から喚かれて泣きつかれるのを他人から見られていようが、幸田が罪を被るのは違うような気がする。なんだから生きている方が不利みたいに思えてくるなぁ、、、。

結局、自分が一番可愛いんだよ。自分のだけは守りたいんだよ。

判決直前に小旅行に行き、部屋の中で幸田に抱きついた彩子の背中が鏡越しで見えるシーンと、「おかえんなさい、旦那さま」と幸田に玄関で抱きつく彩子、好き。
 
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