bunroku

フェイシズのbunrokuのレビュー・感想・評価

フェイシズ(1968年製作の映画)
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寄り気味が多い手持ちカメラ、そして窮屈な舐めカット。ハリウッド的な洗練されたカットには背を向けたような居心地のわるいカットがギクシャクと続く。なんといったらいいか、その素人っぽいギクシャク感が異化効果のように働いて、スクリーンを眺めている私たちを強制的に撮影現場に立ち合わせるとでもいうか、そんなとんでもない臨場感にあふれた展開に圧倒される。でも多分、これを自宅の小さなモニターで観てたなら、途中で止めちゃったかも。そう考えると、やはり映画館というものは映画にとって欠くべからざるものなんだなあと、改めて感じ入った次第。まあそれはともかく、やはりカサヴェテスは天才やね。
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