このレビューはネタバレを含みます
人間讃歌、映画愛に溢れる最高の映画。
友情、恋愛、多様性、宗教、戦争。。
映画館シネマ・パラダイスを通して様々な人間模様を描いた本作。
中でもアルフレッドからトトに向けたメッセージに心打たれた。
人生はおまえが観た映画とは違う
人生はもっと困難なものだ
村を出ろ
帰ってくるな
手紙も書くな
私たちを忘れろ
ノスタルジーに惑わされるな
自分のすることを愛せ
かつて試写室を愛したように。
30年後、アルフレッドの訃報を聞きつけ帰ってきたトト。
彼の形見があると言われ受け取るとそれはテープ。
ローマに戻り、観てみるとそれはかつて2人が結んだ約束のものであった。
どうせキスシーンばかりだ
戻す位置もわからない
お前にくれてやるが、私が保管する。
アルフレッドはそう言って幼きトトがねだった伸び切ったテープをまとめて保管しておいたのだ。
このテープを上映するラストシーンで、トトの台詞は一切無いが、静かに流す涙と穏やかな笑顔がそこにあった。
それだけで我々にも十分。
何度でも観たくなる作品に出会えた。