ひょんなことから金持ちの英国紳士マキシムと結婚することになった主人公。しかし彼の屋敷は、亡くなった前妻レベッカの影に支配されていた…。
本作はアルフレッド・ヒッチコックがハリウッドへ渡って初めて手がけた作品であり、第13回アカデミー作品賞を受賞。
個人的にはヒッチコック作品の中でも上位を競うくらい好きな映画。恋愛映画のような序盤から、サスペンス映画へと変わる中盤、そしてミステリー映画へと変貌する終盤。この構成が全く飽きない。それどころか次の展開は?この後どうなるの?という好奇心さえそそられる。
ストーリーは主に、レベッカを崇拝する家政婦 ダンヴァース夫人が主人公を追い詰めていくという話なのだが、彼女が画面に登場するたびに幸せな瞬間が瞬く間に息苦しい空間へと変わるのが凄まじい。しかも影の使い方、映し方によって、まるでそこにレベッカが居るように感じられるのが巧み。
また最初から最後までレベッカ本人は一切出てこないにも関わらず、ずっと彼女の存在に頭を抱えることになるため、「生きた女」と「死んだ女」の2人に苦しめられる。もう主人公可哀想すぎ!
あとこのときのローレンス・オリヴィエが鬼渋くてめちゃくちゃかっこいい。