コバルト

去年マリエンバートでのコバルトのネタバレレビュー・内容・結末

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

美しい映像、繰り返しながら少しずつ変化していくモノローグ、不協和音の音楽が織り成す不思議な世界にすぐに引き込まれました。
全てを解釈できたわけではありませんが、劇中劇、動かない石像、必ず負けるゲーム、内面を映し出すと言われる鏡、可能性と選択の扉、など示唆的なモチーフが多く登場します。

男が語った内容の映像が後から出てきたりすると、視聴者としてもまるで記憶を取り戻したかのような体験ができるのが面白いなと思いました。
駆け落ちが成功する幕引きになるのかなと思っていたのですが、「二人きりで永久に自分を見失っている」というセリフで締め括られたことによってこの不思議な世界の余韻が心に色濃く残ります。

私の好きなアニメ「ゼーガペイン」のミズキが本作を好きだと言っていたので視聴しました。
量子力学と時間、記憶が関係するSF作品で言及される映画という前提があったので「なるほど」と思いながら観ることができましたが、彼女の高校生でこの作品を好きだと言える感性は少し羨ましいですね。

恥ずかしながら黒澤明監督の羅生門はまだ観たことがないので、今後必ず観ようと思います。
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