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去年マリエンバートでのrossicameraのネタバレレビュー・内容・結末

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

説】
 アンチ・ロマンの旗手ロブ=グリエが脚本を手がけた、観ている間は理解した気にさせて観終わって思い起こそうとするとまるで掴めなくなるという難物である。男が、整然とシンメトリックに設計された庭を持つ城館にまぎれこむ。そこでは社交界のお歴々が集まり、退屈なパーティに興じている。男は誰の気にもかけられずに館内を歩き回り、女を見つける。女とは去年に会っていた、マリエンバートで……。女にはその記憶がないが、男に迫られるうち、過去と現在の境が消えて、男の言うような記憶を作り上げていた。二人は愛し合い、一年の後、ここで会う約束をした、と。男にG・アルベルタッツィ、女に氷の美貌のD・セイリグ、驚嘆の巧緻なカメラは、最近ではグリーナウェイ作品でも完璧に無機的な映像設計を見せるサシャ・ヴィエルニ。フラッシュバックの幻惑は、監督レネの自家薬籠中のもの。ようこそ、狂うほどの醒めた白日夢の世界へ。
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