jam

去年マリエンバートでのjamのレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
3.8
CHANEL!CHANEL!
ただひたすら、CHANELの華麗なる衣装に酔いしれ…て、ばかりいるわけにはいかなくて


来年、この場所で
同じ日、同じ時刻に

何故待つのです

一年の猶予が必要なのです
簡単にはいきません
それに
きっと
そんな勇気はないの


一年前、駆け落ちの約束をした男と女
マリエンバートのホテルで再会を果たす
ところが、女は男を覚えておらず…

少しずつ、女の世界に入ってくる男

人違いです…思い出して

執拗に女に語りかける男

あなたを知る者は、私以外いないと感じたあなた自身も知らない

私は待った
時間はある
あなたの言葉を理解したのは私だけだった


美しい装飾が施されたホテル
静かな庭園で
愛を誓い合ったと男とは言うけれど

その幻想的な映像を観ていると
これは男と女、どちらかが見ている夢の話なのではないかと揺らめく

男と、女の夫が幾度も興ずるカードゲームの結末が物語の真実を暗示しているのか?

けれど
白い羽根のガウンを纏い苦悩する女の
まるで白鳥のような儚げな姿を観ているうちに

幻でも構わない
迷宮に入り込んだらそのまま…


CHANELが似合う、凛とした美しさ
斯くありたい、と想うのです…
jam

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