のんchan

ディス・イズ・イングランドののんchanのレビュー・感想・評価

4.1
1980年代初頭のイギリス🇬🇧が舞台。
シェーン・メドウス監督が自身の実体験を基に労働者階級の人々の生活をリアルに描いている。
若者たちが好んだファッション👖🥾👗や音楽♬当時流行ったカルチャーを徹底的に再現していて見応えのある社会派青春ドラマ❗️


サッチャー政権下の新自由主義の過程で失業者は300万人に達し、フォークランド紛争は長期化する。
そんな閉塞感が漂う片田舎に住む10歳のショーンは、父親をフォークランド紛争で亡くし、母親と2人暮らし。可愛いくて子供っぽいようだけど物凄くオマセ。父親が居ないことでイジメられていたが母親には言えない。
そんな時、近所の不良グループ”スキンヘッズ”の1人がショーンに優しく接してくれて次第にお兄さん達に惹かれていく。

その仲間にはハイティーンの女子もいて、まだ矯正はしているけどドギツイお化粧バッチリで、お姉ちゃんのような女子にゾッコンになる。
ある日、初キスの時が来て😘
「4歳児の顔してテクニックは40代並みね」なんて言われちゃう☺️

物語の途中までは田舎町のちょっと悪ガキたちが遊ぶ姿をほのぼの見つめていられるのだけど、途中で刑務所から帰ってきた元スキンヘッズにいたコンボがその幻想を次々と奪っていく...
不気味なナショナリズムを掲げ、暴力と過去の影響力を翳してグループの仲を乱していく。
なぜかショーンは強くコンボに憧れて、どんどん悪の道へ進み始めるが、あまりの暴力で仲間が死にかけるのを見て恐怖にかられる。


この作品は、前半と後半でガラッと雰囲気が変わるのだが、悪役のコンボを等身大の”悩めるスキンヘッズ”としてフォーカスしていくところが映画の核心でもありリアル感なんだと思った。
国家やナショナリズム、理想を大声で唱えるその背後には、貧困や失業、かなわぬ愛などのフラストレーションが溜まっていることの証なのだ。痛いほど真に迫って来た。


好みが分かれそうだが、私は断然興味深くて夢中になりました🌟

やはりイギリス🇬🇧映画は好きだな〜💫
のんchan

のんchan