子供の目を通して描く、
宗教の対立とナチスによるユダヤ人の迫害。
ラストは涙腺崩壊してしまった。
1944年冬。
カトリック系の寄宿中学校に、
神父が3人の子供をつれてやってくる。
3人のうち、
ジャン・ボネは、
カンタンのクラスに編入される。
カンタンは活発で、
勉強もそこそこできる優秀な子供。
ただ、時折やってしまうおねしょが悩みだった。
編入されてきたボネは、
そんなカンタンより勉強ができて、
しかし、なぜか無口な子供だった。
カンタンはそんなボネに興味を持ち、
いろいろとボネのことを詮索し始める。
世の中は、次第にナチス・ドイツの圧政が厳しくなり、同時にゲシュタポによるユダヤ人狩りも活発になってきた。
ボネとカンタンは、時々けんかしながら、友情を深めていく。
そんな彼らが、
初めて洗礼を受ける時、
カンタンは気づいてしまう・・・
おおらかで優しいタッチで、時折ユーモアを交えながら進んでいく物語は、最初はとても微笑ましい。
空襲警報が鳴り、生徒全員が防空壕に非難する中、ボネとカンタンの二人だけが音楽室に残り、ピアノでジャズの連弾をする場面は名場面。
ユダヤ人禁止のレストランでゲシュタポが、ユダヤ人の老紳士を発見し出て行けと命令するが、老紳士は凛として応じず、店のオーナーや客たちでゲシュタポを追い払う痛快なシーンなどもある。
雪が降るようになった1月。
数学の授業をしているときにゲシュタポが入ってくるシーンはショッキングだ。
そして我々観客が、うすうす感ずいていたことが現実となり、物語は哀しい悲劇となる。
このラストシーンはほんとに泣けました。
声高に戦争反対とかナチスの非難をしているわけではないのですが、
その美しい画面と相まって忘れ難いラストシーンになりました。
雪の中で竹馬に乗って遊ぶ子供たちの姿が忘れられない・・・
「さよなら神父様・・・」
「さよなら子供たち・・・」