Leaf

春のソナタのLeafのレビュー・感想・評価

春のソナタ(1989年製作の映画)
4.0
エリック・ロメール監督、四季の物語
今年一年かけて観ていこうと企画中。
本日は立春なので"春"

パーティーでたまたま出会った二人の女性の交流から始まる女3人、男1人の会話劇。

相変わらずただ会話してるだけなのに面白いのすごい。開幕静かだね〜と思わせて、一度喋り始めたら止まらん。
当初大した役回りじゃないと思っていたお父さんがなかなかに際物だったのもおもろい。自称不器用二人がモノ切ってるシーンも大体滑稽で最高。

全然知らないし、なんだったら性格というか考え方も違いそうなのに、なんか気が合った気がしてサクッと仲良くなるあの感じ。良い。
そんで、一緒にいる時間が長くなると色々気になる部分も出てくる感じ。分かる。良い。
違うからこそ仲良くなって、そうだから上手くいかなくなる。難儀。

とりあえず、個人的には完全にあの哲学教師に近くて、色々考えることもあるからそちら側に分かりみが深い。ただ、全然なんの話ししてるかわからなかったけど、あの夕食での怒涛の会話は自分としてはやっぱり面白かった。興味なさそうな人達を俯瞰できるところ含めて。
構図的に、同じようなことをしているのに、元々の印象が違うせいで全然違った受け取り方に感じられるのもリアル。
終盤のもう勝手にしてくれ〜と思いたくもなるような言い争い。一つのきっかけで色々吹っ飛ぶ様。上手ですね。日常的な題材を日常的なオチで終わらせてくれる、名人芸。

春を感じられるきれいな庭はなんというか"完璧な"美しさでは無いのだけれど、とにかく素敵だし、あそこで読書できるのは至高。
気持ちも部屋も状況も、整理するのって大事ですね。観終わると部屋に花の一つでも飾りたくなる作品。
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