カカオ

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1のカカオのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

はじめましてからずっとふしぎな子だったドビー、いつでもハリーの名前をまっすぐなこころのままで呼んでくれたね。たいせつな友だちができたのも、その友人たちに惜しまれながら腕のなかで最後のときを看取られたのも、ドビーがドビーらしく在りつづけたからだよ。妬けるほどの強運の持ち主のあなたがだいすきだ。

あ〜最初から最後までずっとしんどいし、かつてキーパーソンとして出てきたキャラたちの命があっけなく思えるほど失われていくのがもうほんとにつらい〜
死の呪文(闇の魔術?)を使用するにあたって、法を破る以上のリスクがあるのかどうか知らないけど、死や苦しみがあまりにも簡単すぎてそりゃ禁術にもなるよなと納得させられる。
というか、生死を他者に奪われる行為がこんなにも身近だったら世界が崩壊するに決まってる。だから生きものは共生する上でルールや法が必要なんだ……とかなんかいろいろ考えちゃった。笑
副題の「死の秘宝」が三つあると言い伝えられてるお話のシーン、ちょっとダークな絵本を読んでもらってるみたいでいつもワクワクする。
ここと、トイレの便器を経由して移動するシーンだけは唯一と言っても過言ではなく気を抜いて見られる。他はずっとつらくてしかめっ面してる。

7作目の救いはロンがグリフィンドールの魂を思い出してくれることくらいしかないかもしれん。
ヴォルデモート卿らによって踏みにじられる人々の怯えが伝わり、怒りと憎しみで彼ら魔法使いの器が満ちていく過程にきちんとこちらまで息が詰まるようになってる。
公開してすぐ映画館でも一度観たけど、たまに深呼吸しないと受け止めきれないことばっかりだ。ダンブルドア校長はもう居ないし……ホグワーツ魔法魔術学校では新たな校長がひとり奮闘してるし……
でも通しで見るとやっぱりめちゃくちゃ面白いので、ひさびさに完走するためにのろのろマラソンしている。ここまで来たらもうあとひとつ駆け抜けるだけ!

もし、三つの秘宝を自由にえらべるとしたら自分はなにを手に取るだろうといつも考えるけど、透明マントがいちばんマシ?と思い立ち、使い道に頭を巡らせて欲を出したあと、やっぱりなにもえらばない選択肢があればいいなとおもう。
「It is not our ability that show what we truly are, Harry, it is our choice.」とダンブルドア校長も言っていたので……きみの選択もそう悪いものじゃないってウインクしてくれそうだからね。
フィクションの世界に生きた彼が遺したものに、わたしはこの先もきっと救われつづけるだろうな。
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