今年いっぱいで配信終了になり、権利的に再配信が無いかもしれないとの事で焦って視聴。メインビジュアルからは見ようと思わなかったが、年の瀬に良い出会いができた。
カリフォルニア州のバグダッド(「パリ、テキサス」みたい!)にあるダイナーが舞台で、そこに暮らす人々と外から来たドイツ人女性ジャスミンとの交流を描く。
ジャスミンは夫との旅行中に喧嘩別れしてカリフォルニアの砂漠を彷徨い、「バグダッド・カフェ」にたどり着いた。お店を切り盛りするのは黒人女性のブレンダで、ちょうど夫を追い出した所だった。彼女には子供が二人いて、常にイライラしていた。
初めは得体の知れない外国人にキツく当たっていたが、ジャスミンの優しさやユーモアに触れる中で穏やかになり、唯一無二の親友になっていく。そしていつの間にか、閑古鳥が鳴いていたお店にも人が集まる様になっていた。
マジック(手品)リアリズムとも言える様な、現実を超えて見るものの心を温めるストーリーが心地いい。そして砂漠の中にポツンとあるカフェの風景と、挿入歌の「コーリング・ユー」の雰囲気がたまらず、余韻が続く。
この作品は1980年代から始まったミニシアターブームに乗って日本でもヒットしていたらしい。当時見た人が羨ましいな。