昔、年末には必ずテレビ放送があり、「洋画の忠臣蔵」などと呼ばれていた。
と言っても、今の人には「忠臣蔵」がわからないと思う。元禄時代、主君の無念を晴らすため、家臣が一丸となって仇討ちをする物語。ちなみに討ち入りの日は12月14日。
一方、本作は第二次大戦中、ドイツ軍の捕虜となった連合軍兵士たちが集団で脱走を図る。どちらも実話を元に「集団」による「計画」を描いており、観ていて「達成感」がある。
しかし、最後、スカッとするかというと……忠臣蔵蔵は仇討ちを果たした赤穂浪士たちは、切腹。本作の連合軍兵士たちも、脱走に成功した者もいるが、多くがドイツ軍に射殺されるか、収容所に戻される。
ただ、本作で脱走に失敗し、収容所に戻ってきたスティーヴ•マックイーンが独房の壁にボールをぶつけ一人キャッチボールをするシーンは「希望」に満ち溢れた名シーンである。こたつに入り、テレビでこの映画を観るのが、日本の風物詩だった。
今は何を観ればいいのだろう。
ぜひ若い世代にも本作を観てほしい。