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御用金のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

御用金(1969年製作の映画)
3.8
フジテレビが日本のTV局としては初めて映画製作に乗り出し、監督に五社英雄、俳優に仲代達矢、中村錦之介(仲代と大喧嘩して途中降板した三船敏郎から交替)、丹波哲郎、夏八木勲、司葉子、浅丘ルリ子ら、豪華スターを起用した大型娯楽時代劇。(1969)

時は天保2(1831)年の冬。雪深く貧しい越前の国の鯖井藩(鯖江藩をイメージ)。黒崎村の漁民30数名全員が"神隠し"に会い、消えてしまう。
真相は、難破した御用船から漁民たちが引き上げた佐渡からの御用金を、財政の困窮する鯖井藩の家老帯刀/たてわき(丹波哲郎)が横領し、口封じのため漁民全員を皆殺しにしたのだった。
それから3年、帯刀の妹しの(司葉子)の夫である脇坂/わきさか(仲代達矢)はそんな藩に嫌気が差し、鯖井を捨て江戸で浪人生活していたが、鯖井藩士(西村晃)らに命を狙われたことから、帯刀が再び“神隠し”を行おうとしていることを知り、阻止するために鯖井に向かう。
迎え打つ帯刀と帯刀の部下(夏八木勲)ら。
道中出会う、女賭博師で“神隠し”の犠牲者おりは(浅丘ルリ子)と、銭で動く正体の分からない浪人藤巻左門(中村錦之助)も絡み、
三つの大掛かりな決闘シーンが展開され、見せ場が一杯。
その三つ…
・峠の廃屋敷で雨の降りしきりる中、火を放たれての決闘、
・岬の岸壁に建てられたかがり火を巡る決闘、
・雪原での脇坂と帯刀の、悴んだ手に息を吹きかけながらの一騎討ち。

「俺はもう既に死んでいる。…ひとりひとりの弱い人間の大きな集まりが侍を支えているということを忘れていたのだ」
「お主が○○なら…ようく目を見開いて一部始終を見物して行ってもらいたい。幕府の圧政の下、鯖井五万石がどのように手を汚すか」

幕府の圧政→藩の圧政→住民の犠牲
(政府)   → (地方自治体) →(一般庶民)の構図は変わりませんね。
 
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