りっく

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔いのりっくのレビュー・感想・評価

4.3
なんだこのバカで下品な映画は。
でも、だんだん登場人物たちが愛らしくなってくるから不思議である。

独身最後の時を満喫しようと、ラスベガスに向かう花婿とその友人3人。
大の大人が本気で羽目を外す。

だが、それは実際の映像では描かれない。
登場人物たちは二日酔いで何も覚えてないのだ。
ただ、その一夜で何が起こったかを調査していく彼らの言動を見ていれば、いかにこの大人たちに品がなく、どうしようもない人間なのかが浮き彫りになってくる。

ただ、そのどうしようもなさに無性に惹き付けられてしまう。
風貌も体型もだらしない花嫁の弟、カッコつけたがりの教師、やたらとしゃべりまくる歯医者(完全な儲け役!)。
この3人が生み出すケミストリーが最高である。

田舎者丸出しで、ラスベガスという街にいる微妙な違和感。
そんな奇妙な画が次々と出てきて、それがやたらと笑いのツボに入り込んでくる。
赤ちゃんを抱く彼ら、トラと一緒にいる彼ら、全裸の中国人に襲撃される彼ら、マイクタイソンと彼ら、そして社会科見学で警察署に来ていた子供たちと彼ら。
どの場面も、画のアンバランスさ加減にやられてしまう。

ただ、そんな何でもありのシチュエーションになりそうでも、トンデモ映画にならなかったのは謎解き映画という要素も含んだ脚本の賜物である。
彼らが目を覚ました部屋の中にあったモノを伏線に使用することで、物語の筋がブレていないからこそ、各場面での面白さだけではなく映画全体としてもすっきりとまとめることに成功している。

そしてトドメにエンドロールで空白の時間を彼らの爆笑写真で埋めて、全てが一件落着するのである。
りっく

りっく