Shelby

イエスマン “YES”は人生のパスワードのShelbyのレビュー・感想・評価

3.6
妻と離縁してから人間関係が億劫になってしまったカール。夜は孤独に映画を鑑賞するのに忙しくて、親友の誘いも断りまくり自ら周囲と距離をとっていく。全てのことに〝NO〟と告げて。
そんな彼がふとしたタイミングで訪れたセミナー。その教主らしき老人は言う。人生は〝YES〟で幸せになれると。自分自身に掲げた誓いにおいて、その日からカールは〝YES〟しか言わない人間に生まれ変わる。すると、YESを言うことで次々と幸せが舞い込んでき始め、今まで閉鎖的だったカールは徐々にオープンな性格となり人生が上手く回り始める。

最高にハッピー野郎なジム・キャリーを見れて嬉しいやら、笑いが止まらないやらでてんやわんや。そんなに上手くいくかい!というツッコミは一先ず呑み込んで見進めていく。繰り広げられる好転の数々に対し最早お家芸であるジム・キャリーお得意の顔芸とコミカルな動き。彼にしか出せない持ち味だよなぁ。プロットの粗さなんて気にならなくなるほどジム・キャリーの存在感は凄まじくデカい。

500日のサマーにも出演していたズーイー・デシャネル。これがまた可愛いのなんの。訳分からんコンセプトの不思議ちゃんバンドボーカルを務める彼女。早朝からジョギングフォトをしたりと随分活発的。透明感溢れる彼女が微笑むたびに周りに花が咲くイメージ。

YESによって世界を広げ、色んな経験を積むことの大事さ。それがカールのように自ら世界を狭めている人なら、尚更大事なこと。ただ、全てに対してYESを選ぶのではなく、世界は選択の連続。よく考えて決断することを忘れてはならない。シンプルだけど、忙しない日々の中で忘れがちなことだも思う。陰鬱とした序盤のカールも終盤には爽やかイケメンに見えてしまう不思議。
人ってこんなきっかけで変われるものだもんね。
人生において、爽やかな風を吹かせてくれる一本。メッセージ性を込めたこの作品は案外、コメディの枠を超えてるんじゃなかろうか。
Shelby

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