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セントラル・ステーションのsonozyのレビュー・感想・評価

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)
4.5
ベルリン国際映画祭でブラジル映画初の金熊賞(最優秀作品賞)を受賞した、ウォルター・サレス監督によるヒューマン・ドラマ。

小学校の教師を引退後、リオデジャネイロの中央駅で場所を借り、文盲の人たちのための手紙の代筆屋をやっている性格悪そうな中年女性ドーラ。
自宅に戻ると階下の友人アイリーンを呼び、書いた手紙をチェックして破り捨ててしまったり、引き出しに突っ込んだりし、ほとんど投函していない様子。

ある日、9歳の少年ジョズエを連れた母が、二度目に訪れ、離ればなれとなった夫宛の前回の内容を取り消して新たな代筆を依頼し、まだ見ぬ父に会いたいというジョズエの写真も同封するよう渡し、駅を出るが、母がバスに轢かれ亡くなってしまうという悲劇が。。突然孤児となってしまったジョズエ。

最初は冷たくあしらっていたドーラだが、身寄りのないジョズエを一旦自宅に連れ帰る。その後、養子縁組斡旋をしている夫婦に預けに行くと、受け取ったお金でテレビを買い替える。
アイリーンにその件を話すと、預けた夫婦は臓器売買組織だと知らされ、罪悪感から慌てて連れ戻し、ジョズエの父親探しの旅に出ることを決意。
だが、身売りされそうになったジョズエは当然ドーラを信じられず、二人はぶつかりながら長距離バスに乗る・・・

父に会いたい想いを募らせるジョズエにとっても、結婚歴もない孤独なドーラにとっても、感情が大きく動く二人旅。
そして心に沁みるラスト。
ジョズエ役の子役も、ドーラ役の女優さんも素晴らしい、名作です。

ベルリン国際映画祭: 金熊賞(最優秀作品賞)・銀熊賞(女優賞)・エキュメニカル審査員特別賞
ゴールデングローブ賞: 最優秀外国語映画賞 ほか
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