ハンスウ

2/デュオのハンスウのレビュー・感想・評価

2/デュオ(1997年製作の映画)
3.4
よく知ってるタイトルだし観たことあると思ってたんですが、あまり既視感が無いから初めて観たかもしれません。それか、よっぽど印象に残らなかったか……。

90年代後半っていう、この頃はよくミニシアター系、低予算の日本映画を熱心に観てたんですよ。今は俳優で活躍してる利重剛さんも監督してたし、SUBUとか、橋口亮輔とか、廣木隆一もこの頃は良かったし、矢口史靖も登場したし、北野武も全盛期でしたね〜。まだ私も若かったせいもあるかもしれませんが、そんな貧乏な日本映画たちを観て、感じることがたくさんありました。

本作も当時映画雑誌かなんかで情報を得て、観たくて仕方なかったのを覚えてます。でも観たのか観てないのか、どうしても思い出せない。まあ、初めて観たということで。

これは諏訪敦彦監督の野心作だと思うけど、映画の内容より演出法そのものが気になっちゃって、どうしても意地悪な見方をしてしまいますねぇ。この監督は寡作だなと思ったら大学で仕事してたみたいね。はい、学生を指導するのも今の日本にとっては大事なことだと思います。大学に行かなかった私が言うのもなんですが 😅

元々、脚本はあったらしいんですけど俳優の即興演技による創作に変わったそうです。最後のクレジットには脚本家の名前はなく、(出演/ダイアローグ)なんて表示されたりしてます。だから全部俳優たちがその場で言ったセリフが採用されたということなんだと思います。

だから、これはね、観る人が好きか嫌いか、受け入れられるかそうでないかにかかってしまう作品でしょうね。そのダラダラともたつくシーンを観ていられるかどうか。俳優が演じていく中で、言いたくなったことを言う。やりたくなったことをする。それを監督が見守っていて微調整したりしたのかもしれません。

これはそんなに簡単なことではないと思うんですよね。インデペンデントの父、カサベテス監督も演技やセリフを俳優に任せたりしてましたが、俳優が同じセリフを2回も3回も繰り返してしまう時があるんですよね。1回で十分なはずだから余計にセリフ言ってしまうんですよ。本作でも似たような演技が散見されます。脚本家がセリフを用意してないから俳優が自分で言うんですけど、でも、ぶっつけ本番の俳優からはそんなに深みのある言葉なんて出てこないですよ。河瀬直美監督もこういうことやってましたけど、結局、今回の鑑賞で、私はこう言うのがあまり好きではないと言うことが再確認できちゃっただけでした。こう言うのはできるだけ若いうちに観た方がいいかもしれませんね 😑
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