食パン

ゲド戦記の食パンのレビュー・感想・評価

ゲド戦記(2006年製作の映画)
3.5
子どもの頃飲めなかったコーヒーやお酒が、大人になって美味しく感じたみたいな感覚。

こんな単調なジブリ映画あったのね。笑けるくらい退屈、ほぼ説明しない世界観、単調なドラマだけど、観れる観れる。テルーが歌うシーンで、二人の生い立ちを思ったら深い感動があったし、なんかクロード・ロラン風の背景画も相まって、すごく昔のヨーロッパ映画のようでとても好きだった。

父である国王を殺したり、王様にならせたい自分の分身に追われるなどの描写あるけど、国王になりたくないのは何故だろう。惰性で生きてる人とか、生きる理由か分からんと思ってる人たちに、この映画のテーマは胸に響くのだろうか。

個人的には、アレンのお説教はいらないから、テルーとアレンの関係性を深く描写して、愛を知ることが生きる希望になるとかいう恋愛と人生の素晴らしさをしっかり説く方が好みだけど、それじゃ原作からかけ離れすぎるのかしら。でもなんでテルーは龍になった(龍だった)んだろうかね。

こんなんが初監督だなんて凄い。これの続編が観たい。これの長いディレクターズ・カット版が観たい。『ゲド戦記』は、ジブリ初のアート映画だったのかもしれない。