方眼

鉄塔武蔵野線の方眼のレビュー・感想・評価

鉄塔武蔵野線(1997年製作の映画)
3.6
前半から中盤までの独白は煩わしく、子供以外の登場人物像も今一つ。おっ、この人いいなあと思ったら、田口トモロヲ。優しげな音楽も、子供の行動に大人が勝手に理由付けしているようで、違和感あり。つまるところ、理系の父子の話なのか。少女達や、子供の友情などで引っ張って最後に1号鉄塔に到着する話かと思わせておいて、少年が自分のなかにある狂気に気付くという展開。鉄塔を追い続けても、体育会系達成感とはほど遠い。数字が減っていけば、原点に何があるか知りたいと思うのはある種の人間の根本原理。その単純さが狂気と紙一重であるということを、料理しきれていない気がする。
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