Omizu

あらくれのOmizuのレビュー・感想・評価

あらくれ(1957年製作の映画)
4.5
【第30回アカデミー賞 外国語映画賞日本代表作品】
徳田秋声の同名小説を原作とし、成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演で映画化した作品。アカデミー賞には日本代表として出品されたがノミネートには至らなかった。第12回毎日映画コンクールでは主演女優賞を獲得している。

原作を読んでいないのでなんとも言えないが、『ひめゆりの塔』『浮雲』などを手掛けた脚本の水木洋子が大幅に改変しているそうだ。

当時は「奔放な女性を描いている」として18歳未満の鑑賞を禁じた成人映画に指定されたというが、今の価値基準から観ればヒロインのお島は芯の強いしっかりした独立独歩の女性で何も問題なく見える。

もちろん妻のある男の愛人になったりはするのだが、全てにおいてお島はコントロール下に置く力があるのでいやらしい感じは全くしない。

役者でいうと森雅之や加東大介もいいのだが、最後に登場する仲代達矢がやっぱり持っていくなあー

でもそれ以上に高峰秀子が素なんじゃないかというハマりっぷりでみせる気の強いお島がこの作品を大きく支えている。成瀬巳喜男の端正な演出とメリハリのあるストーリー運びも素晴らしいがやっぱり高峰秀子の映画。

文句なしに面白い!高峰秀子最高ー!
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