すずす

アリスの恋のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

アリスの恋(1974年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

マーティン・スコセッシ初のスタジオ映画。ワーナー・ブラザースとスコセッシらしからぬ女性映画は、主演エレン・バースティンにオスカーをもたらしました。

昔クラブシンガーだった冴えない田舎の主婦が夫の急死を機に、家を売り、子連れで実家まで旅をします。ニューメキシコから、アリゾナ経由でカリフォルニアまで。
金欠の道中、働かねばならず、旅先で起こる、仕事、子育て、男との悲喜劇を淡々と描かれます。
フェニックスでは、バーで歌い手となりますが暴力男に騙され、逃げおおせます。そして、ツーソンでは、品のない格安食堂のウェイトレスになりますが、そこて、牧場主のデビッドと恋に落ちますーー-----

冒頭、夢のような『オズの魔法使い』のパロディから生々しい現実となり、はじまる女性映画ながら、男なしに生きられない女に、人間臭い粗野な男女など、スコセッシらしさが骨格となっています。

この後に撮る『タクシー・ドライバー』の呼び水的に、ハーヴェイ・カイテルとジョディー・フォスターがそれらしい役で出てくるのもご愛嬌です。
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