ゆみな

アリスの恋のゆみなのネタバレレビュー・内容・結末

アリスの恋(1974年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

私事ですが、つい最近離婚危機に陥りまして……まあ、今回は回避できたんだけども、かなり私の中で人生を見直すきっかけになったと言うかね。そして、この映画ですよ!このタイミングで観れて良かったな~って、つくづく思う。私は誰かのための私ではなく、ひとりの人間として自立して生きていく強さが欲しい。

突然、夫が事故死して…11歳の息子トミーと2人で生きていく人生を余儀なくされたアリス(エレン・バースティン)。夢である歌手としての職を得るためバー巡りをして、なんとか仕事を手に入れた途端出会ったばかりの男といい仲になり…幸せになれるかと思いきやとんでもないDV男だった事が判明。アリスはせっかく手に入れた仕事を放り出してトミーと一緒に夜逃げする。次に辿り着いた町で手に入れた仕事はウェイトレス。そこでの出会いが彼女に幸せをもたらす事になる。

これ、とっても面白くてね。
まずはアリスと息子トミーの会話ややり取りが好き。クソ生意気でイラッとさせられるトミーなんだけど、彼は彼なりに寂しさを抱えているんだろうな…って後々気付く。まだ11歳だもんね。トミーが仲良くなる、ちょっと不良なオードリー(ジョディ・フォスター)は、いいスパイスになっていたと思われ。
私がとにかく好きだったのはカフェの同僚フロー(ダイアン・ラッド)で、とんでもなく下ネタ全開の口汚いウェイトレスなのね。でも優しい。カッコいい。女が憧れる女ですよ!彼女とアリスが打ち解けるシーンがとても好きでね。女の友情ってあるかも…って思えた瞬間でした。

この時期リアルにエレン・バースティンは離婚したばかりのシングルマザーで、ダイアン・ラッドも同じく幼い子供(ローラ・ダーン)を抱えた働く母親だった。その2人があの役を演じているわけだから、説得力あり過ぎるし胸にずきゅんと響いてきてしまうわけですよ。

ラストもさぁ、アリスの決意を後押ししてくれるような結末で幸せな気分になるんだよね。どこに居たって夢は叶えられる。素敵な映画だ。
ゆみな

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