《スポーツの映画》、Vol.18。サッカー③。
当時2006年のドイツのW杯前後ぐらいかな、この映画スゴい宣伝してたなって言う記憶がある。
ここまで露骨にサッカーで夢見る作品もなかなか観たことない。
ちょいちょい、マジの当時のトッププレイヤーたちが出てくるのがまた良い。
ジダン、ベッカム、ラウール、シアラー、バロシュ、そして、なんとジェラードも。
個人的に彼らに憧れてサッカーしてただけに、それだけで胸が高鳴る作品。
イングランドのプレミアリーグの大舞台を背景に、フットボールのレジェンド達に囲まれて“夢を掴む”物語。
それにしても、苦難が過ぎる。
サッカーにおけるすべての苦難を背負ったような主人公、サンティアゴ。
幼い頃に貧しさからメキシコからアメリカに不法侵入で逃げてからの家族との細々した生活。
生まれつきなのか、喘息で常に手放せない吸入器。
貧しさと身体的ハンデ、父親からの抑圧など、サッカーにかける情熱を幾度となく叩かれるサンティアゴ。
やっとチャンスを掴んだイングランドでも、仲間からの圧力やポジション争い、運にも見放されたり。
とにかくそんなに人生甘くないぞと言わんばかりに、次から次へと夢を打ち砕かれることばかり起きる。
それでも、彼の才能を信じる数少ない周りの支えと、仲間と、自分を信じて何度も立ち上がる。
時には、スターの甘さを味わうこともあるが、それでも自分を奮い立たせ、本来の目的を思い出し、好きでそれしかないサッカーで先に進む。
何と言っても、このおばあちゃんと、彼の才能を最後まで信じて支えたグレン。
この2人なくして、彼の成功はない。
この暖かさが本当に沁みる。
サッカーの演技としてはまぁあれだし、本当にこんなことあるかと言えばそれはまぁ野暮。
この作品はそう言うことではなくて、本当に何にもない、素人に毛が生えたような下々の貧しい選手が、プレミアリーグの名門ニューカッスルの1軍で花を咲かせる、サッカーでその夢が見れるだけで良いぢゃないか。
自分にもこんなことが起きてたんじゃないか、いや、そんなに上手くなかったからダメだ、と思える熱い映画。
この彼女がとても綺麗だった。
右も左も分からない彼の心の拠り所感が堪らん。