さしすせ

カラーパープルのさしすせのネタバレレビュー・内容・結末

カラーパープル(1985年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

黒人差別が横行し、それに加え女性蔑視が世の常だった1900~1930年代。
弱冠14歳のセリーは既に実父の子を2人も産み、産後も抱くことを許されないままに我が子は売りに出されていた。

ヒエラルキーはどのコミュニティにも存在する。
社会規模で見れば当時ヒエラルキー下層として扱われていた黒人も、家族単位で見るとまた別なヒエラルキーが構築されている。
上には上がいるが、下にも下がいる。
力でねじ伏せることをどこか得意げにしている、管理能力の高さを誇示するかのような様子に辟易とした。

ひたすらに生き地獄を耐え抜くセリー。
黒人男性や白人相手でも物怖じせず、読んで字の如く戦い続けたソフィア。
自由を力強く突き進む歌手 ジャグ。
境遇は違えど、同じ時代で生きづらさと共存する3人。

自尊心や権利を取り戻したセリーが営むのが、1サイズのみで展開されるパンツ専門店。
男女問わず誰でも履くことが出来、誰の人生でも彩ることが出来る。
酷な環境でも愛を失わずに生きていたセリーだからこそ迎えられた未来なのだろうと思った。

セリーとネイティの手遊び。逆光。花畑。
映像の美しさも、題材の悲惨さを浮き彫りにしている。
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