このレビューはネタバレを含みます
「真珠のボタン(2015)」に引き続き鑑賞。
公開年的には逆だったかもしれない。
"科学はチリの空に恋をした。"という始まり。
"天文学者たちは気づいた。
"アタカマ砂漠に行けば星に手が届く"と。
きらきらと輝く雨粒のように
秘密は一つずつ空から降り注いできた。"
こぼれ落ちるような星空を眺めながら、なんと心を震わせる表現なのだろうと思った。
"今"は今ではなく、"今"という瞬間は突き詰めると意識内でしか成立しないということが衝撃的だった。
常日頃から感情にも感動にも賞味期限があると考えていたが、どれだけ近しいひとにでも"今"感じていることを"今"共有することは不可能なのだと一抹の寂しさを感じた。
天に思いを馳せること、砂の中に遺骨を探すこと。
対比されているようで「無限の中に"今"を見い出す」という意味では同じ方向なのかもしれない。
数億年も前からの光が"今"へ届くように、積み重なる歴史の上に我々は生かされているのだ。