サーフ

カラーパープルのサーフのレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
3.5
リメイク版の「カラー・パープル」が今度公開されるという事で予習がてらオリジナルを鑑賞。

20世紀初めのアメリカで性暴力で子供を2人生むが離れ離れにされられる女性ネリー。
その後ネリーが強引に"ミスター"という男の元に嫁ぐ事となり、仲の良かった妹ネティとも離れ離れになってしまう。
そしてネリーは"ミスターの元で奴隷同然の扱いで何年も過ごすこととなる…と言うのが序盤の大まかなストーリー。

この時代の男性が女性に対する扱い方の酷さは目を背けたくなるようなものばかり。
"ミスター"筆頭に皆、女性を物としか見ていなくて女性にとっては"自分の感情"を外に出すことがなかなか難しい過酷な時代。
そんな時代の中でネリーが同じ女性に対しては慈愛の目を向けつつ、自分を押さえ付けようとする人達に対するささやかな逆襲がこの映画では描かれている。
男性⇒女性だけではなくて白人⇒黒人に向けられる差別的な目も結構見ていてしんどい。人間を"物"という視点でしか見ていない人間ばっかり。

しんどい描写があるからこそ、ラストにかけてのネリーの苦難に堪えて堪えて日々を生きるのではなく自分自身を解放して自由に生きていくという姿は闊達さに溢れている。

オリジナルでも主人公のパワーは強く感じたけど、これがミュージカル仕立てのリメイク作品になるとより映画の持つエネルギーは強くなるんじゃないかと思う。かなり楽しみ。
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