華

カラーパープルの華のネタバレレビュー・内容・結末

カラーパープル(1985年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

根深い。
黒人差別は、白人だけでなく黒人の中でも為される。黒人のコミュニティ自体に根が張っている。

本作は、授業で"The Bluest Eye"を読んだ際に、紹介された映画だった。
父親の子を身籠った少女が、壊れていく様を救いのない終わりで閉じた"The Bluest Eye"とは異なり、『カラーパープル』は幾分救いのある結末。

"The Bluest Eye"のPecolaが、金髪碧眼の白人に憧れたのに反して、セリーは自分と同じ黒人女性のシャグに憧れた。シャグやソフィアといった、自分の存在意義・権利を主張する存在が近くにいたことが、セリーにとっては大きいだろう。自由を主張していいのだ、と彼女は気がつくことができた。

非常に綺麗な終わらせ方だったと思う。しかし、セリーの夫"ミスター"の老年期での改心は、狙いすぎのように感じた。これが全ての贖罪になるわけはないだろうが、綺麗事と言えば、そうであろう。
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