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DISTANCE/ディスタンスのJINのレビュー・感想・評価

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)
3.5
湖と百合、そして炎――。
是枝監督の初期作品。『ワンダフルライフ』とほぼ同じキャスティングです。
役者は自分の台詞しか知らない実験的な手法で撮影されたそう。ドキュメンタリー風だが、無駄に長い間や、聞き取りにくい発声など、鑑賞する上での障害が大きい。

新興宗教の信者が起こした、無差別テロ事件の加害者遺族の4人。追悼のために訪れた山で遭難し、元信者の男と一夜を過ごす。
表題の『DISTANCE』が肝です。信者とその家族にある距離、同じ遺族の中にある距離。結局人と人との距離は埋められないし、真に理解することも説得することもできないんでしょう。
主人公の彼、教祖の息子だろう。一番飄々としていたけれど、最も重い贖罪を背負っている。ラストシーンすごく好きです。
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