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街のあかりのmylifeのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
4.5
アキ・カウリスマキ監督「街のあかり」を初鑑賞してみた。実は初めて観る作品なので少しときめく。2006年の作品やけどテイストは、あの頃と変わらない。

敗者三部作の完結編。「浮き雲」と「過去のない男」に続く3作品目である。内容は特に知らないけども敗者三部作と言うのは知っている。はてさて、どんな不幸に見舞われるのか…

主演はヤンネ・フーティアイネン。初めて見るヒトやけど見ようによっては割りとイケメンにも思える。カウリスマキ監督の主人公にしては、ちと過去の作品とは異なるタイプのようだ。まさしく、ニュータイプ。

偶然の運命めいた出会いが多い印象だが今回は完全にはめられる。いわゆる、色仕掛けに利用される被害者。だが、彼は一切の言い訳をしない。不器用な主人公はもはや定番のスタイル。

初めて彼の家に彼女を迎え入れての食事シーン。お互い正面向いてドコ見て会話してんねん。なんて、感じてしまうが無表情スタイルが決まっている。

カティ・オウティネンがカメオ的に登場してきた。「パラダイスの夕暮れ」のようにスーパーのレジ係やけど何かとインパクトを感じる今日この頃。

さてと、また刑務所かい。「真夜中の虹」を彷彿とさせるやん。ところで、ヘルシンキの囚人服ってストライプ柄なのかな。煙草も普通に吸ってるし。しかも、吸いながら掃除してもお咎めなし。崔洋一監督の「刑務所の中」とは全くもって別世界なのだ。

さてと、出所後やけど…偶然の再開を果たす。そこでも、また不器用さが発揮される訳やけど、アイラの存在が何かと効いてくる。不幸の連続だが僅かな希望に満ちた小粋で素敵な作品だ。
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