深そうで深くない、浅そうで浅くない会話がクセになる。好きやわあこういうの。「ちょっと思い出しただけ」を見てなかったらこの映画にも出会えてなかったんやな…しみじみ。
5本の短編オムニバス。どれも見終わった後に「にんげんって少しおかしい、ちょっぴり寂しい。そして人生はつづく〜」みたいな気持ちになった。本作には人をみつをにしてしまう力があるな(?)
こちらがどんな心境でも寄り添う…というか意に介さない雰囲気があって、わたしと作品との距離感がちょうどいい。人間関係ちとしんどいな〜というときぴったりの一本。
各話備忘録
①サンフランシスコ。ウィノナ・ライダーむちゃくちゃクールで素敵。そんなつもりで描かれているわけじゃないと思うけど、こういう芯の強さ憧れるわ。
②ニューヨーク。このお話がいちばん好き。生きた英語学んでるなあ(笑)取り繕わない関係に対するヘルムートの優しい眼差しが沁みる。
③パリ。今見るとだいぶアカン発言多くてちょっとヒヤヒヤ。「顔を見りゃ分かる」という、見えている人間の驕り。このお話の間は目を閉じていたら良かったかも…と今思う。
④ローマ。ロベルト・ベニーニがロベルト・ベニーニみたいな役で出とるwおふざけが過ぎるぞ笑
カボチャと羊と義理の姉(三種の神器)
⑤ヘルシンキ。長い人生で、この夜に一瞬だけ交わる人々の時間。朝がくればそれぞれの人生を営んでいく。お互いこの先思い出すこともそう多くないんだろうな。心の中で静かに「幸あれ…」とつぶやいて、わたしも眠りにつく。