ヤマト

ナイト・オン・ザ・プラネットのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 世界の車窓から 〜同乗物語 】
 笑ってしまうほどオシャレな映画である。夜に観ると一層沁みると思う。本作では、世界有数の都市数箇所をタクシーで“旅“することができる。それも約30年前の街を味わうことができるのだ。どの車窓の景色も美しい。あと引く独創的な音楽と個性豊かな人生付きで…。そういえば必ず各都市のチャイナタウンが映されていたのもおもしろかったな。随所に各国の時間が、横並びに掛けられているピンクの時計に示される描写もたまらない。で、今のような静かでスマートなタクシーではなくて、ギコギコ・ギシギシいうタクシーがまたいいのだ。当たり前だけど、回さないと窓は開かない。
 同乗するお客さんとの展開がおもしろい。一番好きなのはヘルシンキ。不幸の語り合いをして同情する。でも目的地で必ず別れる。不幸に同情せず料金は受け取る。その割り切らないところが素敵だ(割り勘の話ではない)。同乗して同情するけど割り切っているというわけだ。車内でのひとときを味わうというのがオシャレだと思う。
 色々な意味で、世の中色々なことあるよなぁと思わされる。
p.s. ここまで来てなんだが、静かな朝にスッキリした頭で観るのもまたおすすめだ(笑)
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