映画館を家にしたい丸

ナイト・オン・ザ・プラネットの映画館を家にしたい丸のレビュー・感想・評価

4.3
ロサンゼルス,ニューヨークまで鑑賞
映像表現で人物の特徴や性格をあぶり出し心地よい対人関係を擬似的に構築することに優れている映画だった。
例えば目線の動きや興味を持つもの。仕草や癖にだって人の性格はでる。
個人的には、生きていることで、挨拶の仕方なんて分かったところで何も分からないと思う。おはよう!、Heyブラカモーン!なんてこと言われたって何もその人が分からない。だけど映画やアニメは違う。
おはようと大人しく言うことには意味がある。彼が前日やな事があったとか、憂鬱な気持ちが溜まってるとか。そんな些細なことがある。
それの積み重ねが僕たちにとって彼らを分かりやすく、わかった気にさせるのだろう。愛するべきキャラたち。それを作るのが本当に上手い。
また、街並みから雰囲気から俺らにとっての感情移入がとてもしやすく誘導されているようにも感じた。きっとそれはそこに住んでいる人と同じなんだよう。
ジム・ジャームッシュ、俺の街でもとってくれよ。ナイトオンザプラネットを。。
タクシードライバーという着想の得方については現状から考察することも出来るが、今後の展開からより深く考えていきたい。

最後まで視聴
結果これ、ジム・ジャームッシュイタリア映画とか、フランス映画とか作ってみたかっただけじゃないかなあ
3,4パート目の偏見とブラックジョークが心地よくなかった。
黒人は肌の色を気にする。不器用な黒人。彼は心優しいが不器用で、盲目の人間に対して失礼を吐いてしまう。無意識に。それだから申し訳ない顔をする。そして、できる限り分かろうとする.
それでも自然に差別をしてしまう。差別をされることに慣れすぎたのだ。きっと。とても悲しい。そんな感情と裏腹に歩いていく盲目な女性。一体どんな気持ちであろうか。
最後は我々視聴者を朝に連れていく演出。
トゥルーマン・ショーに近い演出で不幸比べをするタクシードライバーと客。彼らがどっちが不幸かなんて、どうでもいいのかもしれない。他人事だからこそ、それを可哀想だと思えるし、言ってしまえるのだなあ。車から降ろされた不幸比べの敗者は我々。
きっと辛いことがあっても朝がやってきて、前向きに生きろよという軽いメッセージ。でもそのメッセージ僕には刺さりませんでした。つれえもんはつれえよ。誰も彼も。