ナツミオ

大いなる西部のナツミオのレビュー・感想・評価

大いなる西部(1958年製作の映画)
3.8
NHK-BSPプレミアムシネマ
録画鑑賞

学生時代に観て、数十年振りの鑑賞。ペックのリベラルな雰囲気漂う西部劇大作。

原題 『The Big Country』

アカデミー賞助演男優賞受賞(バール・アイヴス)
ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞(バール・アイヴス)

1958年米作品
監督・製作 ウィリアム・ワイラー
製作 グレゴリー・ペック
原作 ドナルド・ハミルトン
脚本 ジェームズ・R・ウエッブ サイ・バートレット他
音楽 ジェローム・モロス
出演 グレゴリー・ペック チャールトン・ヘストン ジーン・シモンズ キャロル・ベイカー チャールズ・ビックフォード バール・アイブズ チャック・コナーズ

(NHK番組内容より)
1870年代のテキサスを舞台に、牧場主テリル少佐(ビックフォード)の娘パット(ベイカー)と結婚するために東部ボルティモアからやってきたジム・マッケイ(ペック)が、女性教師ジュリー(シモンズ)が持つ水源地をめぐってヘネシー家と対立していた。ジムはジュリーから水源地を譲られたが、ジュリーがヘネシー(アイヴス)の息子バック(コナーズ)に誘拐されテリル家との争いに発展し、ジムが解決に奮闘する物語を、巨匠ウィリアム・ワイラー監督が格調高い演出で描く。
イギリス出身の名女優ジーン・シモンズ、歌手としても活躍し、アカデミー助演男優賞を受賞したバール・アイブズ、ジェローム・モロスの雄大なテーマ曲も印象的。

グレゴリー・ペックが自身のプロダクションで製作・主演を務め、ワイラー監督にとっては18年振りの西部劇である。
敵対する牧場主一家同士の争いは、西部劇でのお決まりパターンだが、力での解決を望まない、東部から来た船会社の息子ジム・マッケイ(ペック)が争いではなく、話合いで解決しようと奮闘するところは、ペック製作の思想が反映されている。

オープニングから、聞き覚えのあるテーマ曲(ジェローム・モロス)と疾走する馬車と車輪のアップは、翌年の『ベン・ハー』を思わせる映像。(監督ワイラー、主演ヘストン)

本国アメリカではヒットせず、日本では大ヒット。
西部劇としては、勧善懲悪ではないストーリーと銃で勝負をつけるなどアメリカ人好みの部分が弱かったのかもしれない。

決して撃ち合いが無い訳ではなく、ペックとコナーズの決闘用単発銃での決闘シーンもあり。
この頃のコナーズは卑劣な悪役もバッチリ、決まってます。

ジムが荒馬サンダーを手なづける迄の悪戦苦闘も面白い。

ジムと牧童頭スティーブ・リーチ(ヘストン)との素手の決闘シーンもあり。お互いヘロヘロ。

水源地を所有する女性教師ジュリー役ジーン・シモンズの品のある美しさと、ジムの婚約者パット役キャロル・ベイカーの健康的な美しさも光る。

敵対するヘネシー一家の長ルーファス・ヘネシー役バール・アイブズの、息子を失った父の悲しみ、決闘シーンも印象的。
一見、悪役の面構えだが、悪役では無いアカデミー助演男優賞受賞の演技も見もの。

ペックの乗馬スタイルは、品を感じる。
166分と長めなのと、少し雰囲気の違う西部劇ですが、面白い名作です。
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